ニキビのはじまりは、皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まり。厚くなった角質によって毛穴のつまりが起きます。そこに過剰に分泌された皮脂が溜まり、それによってアクネ菌が増殖して炎症が生じます。
それでは、毛穴の詰まりがおきる原因を詳しく見てみましょう。
ホルモンの分泌は脳や神経からの指令でコントロールされているため、ストレス・不規則な生活・睡眠不足といったちょっとしたことでもバランスが乱れてしまいます。
ホルモンバランスが乱れてしまうと、過剰な皮脂分泌が起こったり、肌荒れを招いたりすることも。特に女性は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類のホルモンは、月経周期の中で交互に増減を繰り返しています。このバランスが正常に保たれている状態なら問題はありません。
しかしストレスなどが原因で各ホルモンの分泌量が変わったり、サイクルが変化したり、また加齢のためにホルモンの分泌量が減ったりすると、さまざまな肌トラブルの原因となります。
脂質や糖質を多く含む食品や飲み物は、皮脂の分泌を増加させ、ニキビを誘発しやすくなります。
偏った食事は肌への栄養バランスを乱し、さらにターンオーバーを停滞させるリスクがあるので、栄養バランスの良い食事を1日3回、規則的にとりましょう。また食物繊維不足や腸内環境の乱れによる便秘が、ニキビへと発展することがありますので、腸内環境が良くなる食事を心がけましょう。
脂質も角層のバリアを構成する材料のひとつなので、適度な脂質は必要です。ナッツ類や青魚、エゴマ油などの良質な油(オメガ3)など良質な脂質を適度にとるように心がけましょう。ただしナッツ類は摂りすぎるとニキビが増えてしまいますので、摂りすぎないことが大切です。糖質も同じく摂りすぎると血糖値が上がり、ホルモンの分泌量が増加し、皮脂が過剰に出てしまいがちです。また、脂質・糖質の取りすぎは、体内で必要なビタミンB群を消耗してしまうことも問題です。
まず、余分な皮脂をきちんと落とすことが大切。
クレンジングや洗顔料で汗や皮脂、汚れなどを優しく洗い流しましょう。特に、ファンデーションや日焼け止めに含まれている油分が残って毛穴の詰まりにならないように、しっかりと洗うことが大切。1日の洗顔料を使う回数は、基本的に朝と夜の2回がベストです。
洗顔が終わったら、保湿を行います。潤いを与えて水分の蒸発を防いでくれる保湿アイテムの使用はマストです。
オイル成分はエモリエント効果があり乾燥している場合はお勧めですが、ニキビが気になるときは避けましょう。
また、紫外線は皮膚のバリア機能を低下させ、肌の乾燥、角質肥厚とニキビの悪化につながるため、日焼け止めなどの対策も行いましょう。
スキンケアをする際は、肌をゴシゴシこすったりしないよう注意が必要です。優しく滑らせてなでるように行いましょう。また、お風呂で洗顔をする際は、シャンプーやリンスが顔に残るのを防ぐため、洗髪後に洗顔をすることをおすすめします。
その他、スキンケアで特に注意してほしいのが、「自らニキビを潰さないこと」。ニキビができると気になって潰したくなる気持ちも分かりますが、潰すことで菌や炎症が広がったりするだけでなく、最悪の場合、それが原因でひどいニキビ痕になってしまう場合もあります。ニキビは、できる限り触らないよう意識しましょう。
なお,皮膚科で行う面ぽう圧出術「ニキビを絞って中身を出す」という行為は、非常に小さな穴をあけて絞り出すので、皮膚の傷、つまりダメージが小さくて済むのです。皮膚科では清潔な滅菌した器具で行い、施術後に消毒もしっかりするので感染の可能性も少なくなります。どうしても気になって潰したい場合は、面ぽう圧出をお願いしましょう。
スキンケア用品を選ぶために大切なことは、ニキビ用かどうか、とういうことです。
ニキビがあるので敏感肌用を選びがちですが、敏感肌用の製品は乾燥対策のものが多く、皮脂を落とさずに皮膚に残して潤いを与える傾向があります。
ニキビにとって多すぎる皮脂はニキビを増やすことになってしまいがちです。余分な皮脂をきちんと落とす製品を選びましょう。そして乾燥が気になった場合は、油分などニキビを増やす成分が入っていない保湿剤で保湿ケアを行います。
ノンコメドジェニックと表記されているものを選ぶのもいいでしょう。べたついているなあ、油が多いなあ、と感じるものは避けたほうが無難です。
ニキビの治療法には、外用薬をはじめ、内服薬や美容治療まで多種多様です。症状に応じてきめ細かく治療を行うことで、ニキビを早くきれいに治すことが可能です。セルフケアでニキビが治らない場合は、治療も視野に入れてみましょう。
スキンケア製品とは異なり、ニキビそのものを治す効果があります。
ニキビは気を配っていても、なぜかできてしまうもの。ニキビの原因を改めて振り返り、食事をはじめとする生活習慣やスキンケアを見直してみるのもいいでしょう。ニキビが治らないときは、一人で抱え込まず、皮膚科医に相談することも改善への近道です。