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ニキビ痕の色素沈着や凹凸跡のお悩み
炎症を起こしたニキビが赤みや腫れが引いた後も、お手入れの方法によっては、①色素沈着によるニキビ跡、②凹凸の跡が残ってしまうことがあります。
ニキビ痕の色素沈着や凹凸跡のお悩み
炎症を起こしたニキビが赤みや腫れが引いた後も、お手入れの方法によっては、①色素沈着によるニキビ跡、②凹凸の跡が残ってしまうことがあります。
このページの目次
ニキビによる色素沈着
色素沈着とは、表皮にあるメラノサイトがニキビの炎症によって刺激され、メラニンという色素が増えてしまうことで起こります。ニキビの炎症に伴う赤みが消えた後に、茶色っぽく色素が沈着してシミになった状態です。
色素沈着を改善するには
改善の決め手はターンオーバー
色素沈着は徐々に目立たなくなることもあります。これは肌の新陳代謝(ターンオーバー)が繰り返されて、古い表皮細胞が新しい細胞へと生まれ変わるからです。すぐにすべてが生まれ変われるわけではなく、新陳代謝を繰り返して、色素沈着が次第に薄くなってほぼ目立たなくなるには時間が必要になります。
ターンオーバーは約28日!
皮膚の新陳代謝、生まれ変わりのことを「ターンオーバー」といいます。この周期は一般的に28日。ターンオーバーが滞ると肌表面に古い角質が溜まり、毛穴をふさいでしまいます。30代で約40日、40代で約55日と、年齢に比例してサイクルが遅くなります。
肌の生まれ変わりには時間がかかることをしっかり理解し、根気強くお手入れを続けましょう。
ニキビ治療にチャレンジ
皮膚科でのニキビ治療の一つに、過酸化ベンゾイルやアダパレンなどのぬり薬があります。肌の古くなった角質を除去してターンオーバーを促すと同時に、毛穴で増殖したアクネ菌を殺菌することができます。ビタミンCの内服や外用も併用することで、現在あるニキビを改善しながら、ニキビ痕の色素沈着は少しずつ薄くなっていきます。
ホームケアにチャレンジ
ピーリング効果のある石鹸やローションを利用して、古くなった角質を少しずつ除去しながら肌の新陳代謝を促すと、さらに効果的となります。
ニキビによる凹凸跡
ニキビを放置しておくと炎症が肌の表面だけでなく、真皮層とよばれる肌内部に影響を与えます。 真皮層が炎症を起こして傷ついてしまうと、患部の穴埋めをしようとします。しかし、この時つくられるものが周辺の肌細胞とは異質なものとなります。その結果、患部が周辺よりも凹んだクレーターになってしまったり、盛り上がったケロイドになってしまったり、凸凹痕ができてしまいます。
凹凸痕は改善が難しい
ターンオーバーするのは肌の表面の表皮細胞だけであり、真皮層はターンオーバーしません。
クレーターや盛り上がったニキビ痕がある場合には、真皮層までダメージがおよんでしまっています。待っているだけでは完全に肌を元通りにすることはできませんが、クリニックで肌の再生力を高めるぬり薬やのみ薬、ケミカルピーリングやレーザー治療などで凸凹が目立たなくなる可能性はありますが、とても治りにくいものです。そもそもニキビが凹凸痕にならないように、普段から正しいお手入れをすることが大切です。
\ お話をうかがいました /
野村皮膚科医院 院長
野村有子先生
医学博士 皮膚科専門医
<略歴>
1986年 慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科教室に入局
1992年 神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科に勤務
1998年 横浜市に野村皮膚科医院を開業
<所属学会>
日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会・日本研究皮膚科学会・日本香粧品学会・日本皮膚アレルギー学会・日本アレルギー学会・ 日本抗加齢医学会・日本在宅医学会・日本風工学会・神奈川県皮膚科医会・横浜市皮膚科医会