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思春期ニキビ、大人ニキビ。実はどちらも原因は同じでした。
10代のニキビと大人になってからできるニキビは違うものと思いがちですが、実は発生するメカニズムは同じであり、年齢によって変化することはありません。
ただし、ニキビが発生する原因や出やすい場所は年代によって違うため、適切なケアを行う必要があります。そこでこの記事では、ニキビの発生メカニズムから「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の違い、日常のスキンケア方法などについて紹介していきます。それぞれのニキビのケア方法を知りたい方はぜひご一読ください。
思春期ニキビ、大人ニキビ。
実はどちらも原因は同じでした。
10代のニキビと大人になってからできるニキビは違うものと思いがちですが、実は発生するメカニズムは同じであり、年齢によって変化することはありません。
ただし、ニキビが発生する原因や出やすい場所は年代によって違うため、適切なケアを行う必要があります。そこでこの記事では、ニキビの発生メカニズムから「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の違い、日常のスキンケア方法などについて紹介していきます。それぞれのニキビのケア方法を知りたい方はぜひご一読ください。
ニキビができるメカニズムとは?種類別に仕組みを紹介
正常な肌は、毛穴が開いているため皮脂がスムーズに排出されています。しかし、睡眠不足やストレスなどの要因が重なり、肌状態が乱れると、過剰な皮脂が分泌されてニキビへと発展していきます。
またニキビの種類はさまざまです。ここでは、ニキビの種類別のメカニズムについて見ていきましょう!
正常な肌は新陳代謝もスムーズで、20代は約1ヶ月で新しい肌へと生まれ変わっています。しかし、生活習慣の乱れや紫外線などにより新陳代謝のサイクルが乱れると、肌表面に古い角質がたまり続けていきます。これが「角質肥厚」です。この状態を放置すると皮脂や汚れが毛穴にたまり、白ニキビ・黒ニキビへと発展していきます。
また、ニキビの種類はさまざまです。ここでは、ニキビの種類別のメカニズムについて見ていきましょう!
- 1白ニキビと黒ニキビ
白ニキビは、毛穴に皮脂がたまってふくれている状態です。角質肥厚により毛穴の出口部分がふさがれ、皮脂が溜まることで白ニキビとなります。
一方,酸化された皮脂と古い角質で作られる角栓で毛穴が詰まり、ブツっと黒く見えるニキビが黒ニキビです。毛穴が黒ずんで目立つため,とても気になるニキビです。
- 2赤ニキビ
赤ニキビは、毛穴が詰まる白ニキビや黒ニキビの状態が続くと、毛穴の内部ではアクネ菌が増殖し続けて炎症を起こし、赤ニキビになります。さらに炎症が激しくなると、膿が溜まって黄ニキビへと変化します。
黄ニキビになると、アクネ菌によって毛穴の内部で作られた酵素のリパーゼよって、皮脂が分解されて遊離脂肪酸が作られます。この遊離脂肪酸が炎症を引き起こしてニキビとなります。
- 3クレーター状のニキビ痕
炎症がさらに進んでいくと、または自分でニキビを潰すと毛穴の壁が壊されてしまいクレーター状のニキビ痕が残ります。人によっては赤みや盛り上がり、色素沈着が残る可能性もあります。ニキビが気になって、ついつい触りたくなったり洗いすぎたりしがちですが、ニキビ痕を残さないためにはできるだけ刺激を与えないことが大切です。
思春期ニキビと大人ニキビの違いとは?
思春期ニキビは10代に多く見られ、一般的に思春期を過ぎた20代前後から出る吹き出物は大人ニキビと言われています。
ニキビが起きる原因メカニズムは同じものの、思春期と大人ニキビ、それぞれ特徴的なこともあります。思春期(10代)のニキビは、ホルモンの働きが活発で皮脂分泌が盛んで皮膚が脂っぽくなることが影響しがちです。特に、皮脂や汗の量が多いTゾーンが、ニキビができやすい部分です。
大人の場合は、ストレスや体調不良などによってターンオーバーが乱れ、さらに肌の乾燥が影響して毛穴が詰まりやすくなります。 ほほやあごのUゾーンにできやすいのが特徴です。
思春期ニキビの原因とは?
思春期ニキビは小学校高学年から中学生の時期にでき始め、原因となるのが「男性ホルモン」などです。男性ホルモンは12歳~18歳頃までに多く分泌されるホルモンで、皮脂量を増やす作用があるため、ニキビを発生させます。思春期になると、女性でも男性ホルモンは分泌されます。
この時期にニキビが出やすい場所は額や頬で、あごや首、背中などにも出来ることがあります。
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大人ニキビの原因とは?
大人ニキビの特徴は、化粧品やメイクによる毛穴の詰まりのほか、女性ホルモンが影響して生理前に悪化するケース、ストレスや睡眠不足、偏食など、生活習慣が悪化因子となっている場合も多く、大人ニキビは多くの場合でなかなか治らず繰り返しがちです。大人ニキビの対策は生活習慣を見直しつつ、正しいスキンケアを行うことが大切です。
日常的なスキンケアで気をつけること
ニキビを作らないためには、日常的なスキンケアを見直すことも大切です。ここでは、スキンケアのポイントを見ていきましょう。
- POINT皮脂を取り除く
毛穴に詰まっている皮脂は、早めに取り除くことが肝心です。蒸しタオルを活用して、温かさと蒸気で毛穴を開かせ、皮脂汚れを排出していきましょう。蒸しタオルは水で濡らしたタオルを電子レンジで約30秒温めれば簡単に作れます。週に1~2回、蒸しタオルでのケアを行うと良いでしょう。
- POINT古い角質を取り除き、やわらかくする
古い角質も毛穴を詰まらせる原因です。毎日のスキンケアで取り除くことで、肌をやわらかくしていきましょう。ただし、洗いすぎやゴシゴシとこする洗顔といった強い刺激は炎症へとつながりやすいため、かえってニキビをできやすくしてしまいます。洗顔は朝晩1日2回まで、汚れは浮かせて落とすことを意識してスキンケアを行いましょう。
- POINTアクネ菌をコントロールする
アクネ菌は、正常な肌にも存在する常在菌です。しかし、毛穴に皮脂がたまるとアクネ菌が増殖しやすい環境が整うため、ニキビを悪化させてしまいます。アクネ菌を繁殖させないためには、毛穴に皮脂をためないことが重要です。蒸しタオルを使ったケアや洗顔を見直すとともに、保湿不足による皮脂の過剰分泌が起こっていないかを確認しましょう。保湿をしっかりと行い皮脂の過剰分泌が起こらないようにケアすることも大切です。
日常生活で気をつけること
日常のちょっとした習慣を見直すこともニキビを予防するためには大切です。ここからは、日常生活で気をつけたいポイントについて見ていきましょう。
- POINT日焼けを避ける
ニキビを予防したいときには、できるだけ日焼けを避けることが重要です。肌に紫外線が当たると、乾燥が進んだり、皮脂が酸化して炎症が起こりやすくなります。また、強い紫外線を浴びると角質層は厚みを増して肌を守ろうとするため、結果として毛穴を詰まらせてニキビができやすい状態になりがちです。そのため、日焼けをする可能性がある場合には、日焼け止め製品を使って肌を日射しからしっかり守ることが大切です。
- POINTニキビに触れない
ニキビに触れる回数が多いと炎症のリスクを高めてしまいます。また、気になるからといってニキビを潰すことも適切ではありません。ニキビができているときにはできるだけ触らないことが大切です。ニキビに触れないよう、髪型を工夫しても良いでしょう。日常のお手入れで治りにくい場合は皮膚科の受診をおすすめします。
- POINTしっかりと睡眠をとる
皮脂の分泌をコントロールしたり、肌の免疫力を保ったりするためにも、十分な睡眠をとることは大切です。また、皮脂の分泌はホルモンによってコントロールされており、朝と夜で分泌パターンが変化します。しかし、昼夜逆転の生活や睡眠不足が続くとホルモンバランスは崩れ、ニキビを悪化させることにつながります。ニキビを予防するためには、睡眠時間をしっかりと確保しましょう。
思春期ニキビのPOINT
- こまめに余分な皮脂を取り除く
- 思春期ニキビのできやすい場所を重点的にケアする
- 皮脂分泌が多いT-ゾーン
思春期ニキビの多くは、過剰な皮脂分泌やアクネ菌の増殖、毛穴の詰まりなどが原因です。余分な皮脂を洗顔などで取り除き、肌を清潔に保ちましょう。また、思春期ニキビはTゾーンに集中する傾向があります。そのため、クレイパックなどを用いてニキビができやすい場所を重点的にケアすると良いでしょう。
スキンケアには、皮脂分泌を抑える化粧水やニキビケアに特化した洗顔料を使用することもおすすめです。また必ず保湿も行いましょう。
大人ニキビのPOINT
- かさつき部分に保湿する
- 大人ニキビのできやすい場所を重点的にケアする
- ほほやあごなどUゾーン
大人ニキビは、ストレスやターンオーバーの乱れなどに影響を受けますが、乾燥によって引き起こされることもあります。とくに、顔の中でも皮脂分泌の少ない頬やあごなどのUゾーンにニキビが集中しやすい傾向があります。
また、人によっては首やデコルテなどにもニキビができやすいことがあります。肌を清潔に保つことはもちろん、しっかりと保湿を行うことが大切です。
\ お話をうかがいました /
野村皮膚科医院 院長
野村有子先生
医学博士 皮膚科専門医
<略歴>
1986年 慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科教室に入局
1992年 神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科に勤務
1998年 横浜市に野村皮膚科医院を開業
<所属学会>
日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会・日本研究皮膚科学会・日本香粧品学会・日本皮膚アレルギー学会・日本アレルギー学会・ 日本抗加齢医学会・日本在宅医学会・日本風工学会・神奈川県皮膚科医会・横浜市皮膚科医会