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今回は、美肌ケアのひとつとして有名なピーリングとは、具体的にどういった方法なのか詳しくご紹介します。

1度は耳にしたことがあっても、ピーリングの詳細な情報を知らない方もいるでしょう。
ピーリングに関する正しい知識を身につけることで、トライしやすくなることもあります。ピーリングの基本的な情報と一緒に、主な種類や期待できる効果、施術可能な場所などもお届けするので、美肌ケアに役立ててみてください。

ピーリングってどんなケア方法?

ピーリングとは英語の“剥ぐ”という意味を持つ“peel”を語源としています。美肌ケアによく用いられるピーリングは、皮膚に専用のジェルやクリームを塗布して、肌表面にある古い角質を柔らかくして取り除く美容法のひとつでターンオーバーを促します。
ピーリングは、顔をはじめデコルテや背中,肘や膝、脇などの黒ずみの軽減にも活用することができます。シミやくすみといった年齢肌にありがちな悩みにもアプローチしてくれるので、エイジングケアをしたい方にもピーリングはおすすめです。セルフでできるホームケアアイテムから医療機関で行うものまで種類が豊富にあります。

ピーリングの種類をチェック!

ピーリングの種類

古くなった角質をケアして美肌を目指すピーリングには、いくつかの種類があります。ここでは、主なピーリングの種類をご紹介しましょう。

薬剤を用いたもの

ケミカルピーリングとは、薬剤を肌に塗布して古い角質を取り除きます。この薬剤を用いたケミカルピーリングにもいくつか種類があり、肌の状態や悩みに合った方法を選ぶことが大切です。

例えば、代表的な酸としてグリコール酸はタマネギとサトウキビから、乳酸はサワーミルクから作られます。またリンゴ酸はリンゴより、酒石酸はぶどうから作られます。これらは、ニキビや毛穴の開き、くすみや小じわ改善といった肌トラブルにマイルドにアプローチする方法です。
そのほか、さらに強力なピーリング作用が期待でき、角質除去に効果的とされるサルチル酸や、真皮にまで浸透してコラーゲンの生成を促すトリクロロ酢酸などが有名です。

さらに、エイジングケアに向いている言われるレチノイン酸を使ったケミカルピーリングも人気があります。古くなった角質を取り除くほか、コラーゲンの生成を促したりヒアルロン酸の分泌を増やすとされていることから、ハリアップや小じわ改善によく用いられています。
これらの薬剤を用いたケミカルピーリングは医療行為に当たるため、主に医療機関で用いられています。

酵素を用いたもの

酵素は、角層細胞の結びつきをゆるめる働きが期待できることから、古くなった角質や角栓などを剥がしやすくすることが可能です。
そのため、美白や毛穴汚れの改善に向いているピーリング方法と言えます。酵素とは、食べたものを消化吸収する際や新陳代謝など、さまざまな身体の働きに必要なたんぱく質のひとつです。そんな酵素を肌に塗布することで、皮脂や古い角質を分解し、美しい肌を目指します。

酵素にもいくつか種類があり、パイナップルに含まれるブロメラインや膵臓からも分泌されているリパーゼなどが代表的です。酵素を用いたピーリングは、洗顔などの手軽な方法がメインで、ホームケアアイテムも数多く販売されています。

スクラブを用いたもの

スクラブを用いたピーリングは、酸や酵素を使ったピーリングとは違って、細かな粒子で肌表面をこすり、不要な角質や汚れを除去する方法です。主にセルフでのピーリング方法のひとつです。

細かい粒子が入った専用のジェルやクリームを肌に直接塗布してマッサージすることが一般的なやり方で、物理的に肌表面の不要な角質や汚れを落としていきます。スクラブが固いなどの場合、肌の負担になるケースがあるため注意が必要です。

ピーリングによって期待できる効果

ピーリングの意味や主な種類がわかったところで、続いては期待できる効果についてご紹介します。自分の肌状態を今一度確認して、美肌ケアのひとつとしてピーリングを取り入れるかどうか参考にしてみてください。

肌のザラつきを軽減
ピーリングは、主に古い角質や角栓などを除去する美容法のため、肌のザラつきが気になっている方におすすめです。肌のザラつきは、主に皮脂や汚れなどが毛穴に詰まってできた角栓などが原因と考えられます。
通常、古くなった角質や皮脂はターンオーバーと共に体の外へ排出されますが、紫外線による刺激や肌の乾燥,ターンオーバーの乱れなどの影響で蓄積され、肌がザラついて感じることがあります。この蓄積された角質や皮脂などをピーリングによって取り除くことで、ツルツルとした手触りのよい肌へ導いてくれることが期待できます。
ニキビケアにピッタリ
さらに毛穴に詰まった汚れや皮脂が酸化すると、ニキビができることがあります。
このようなニキビの原因になりかねない毛穴の汚れや皮脂などをピーリングによって除去することで、ニキビを改善することが可能です。
また、ピーリングでは、古い角質除去の効果が期待できるため、今現在できているニキビだけでなく、新たなニキビの発生も防いでくれることが期待できます。
エイジングケアにもおすすめ
古い角質を定期的に除去することにより、コラーゲンの合成や表皮細胞の分裂を盛んにする肌の代謝が促進されるため、シミ・くすみが改善や、肌のハリ低下やシワの改善が期待できます。

ピーリングはどこでできる?

酵素やスクラブを用いたピーリングは、市販の商品が多く発売されていますが、薬剤を使ったピーリングは医療行為に当たるため、専門的な知識を持った医療機関で施術をしてもらうのがおすすめです。そんな医療機関によるピーリングの施術ができる場所をチェックしておきましょう。

皮膚科
ケミカルピーリングは、医師が在籍している皮膚科での施術が可能です。皮膚科でのケミカルピーリングは、皮膚の病気を治療したり、治療後の美肌を目指したりする目的で行います。
皮膚の専門的な知識を持った皮膚科では,肌が弱かったり敏感だったりアレルギーがある方でも安心して施術を受けることができます。
美容クリニック
より若々しく美しい肌を目指すことを目的とした施術が美容皮膚科では可能です。
専門的な知識を持った医師が在籍している美容クリニックでは、安心して施術を受けることができます。レーザー治療やイオン導入など、さまざまな治療法をピーリングと一緒に行う場合もあり、ニキビやニキビ痕の改善などを目指すことも可能です。

ピーリングを行う際に注意したいこと

ピーリングの注意点

美肌を目指す際のサポートをしてくれるピーリングですが、いくつか注意したい点もあります。せっかくピーリングを施してきれいにした肌を台無しにしないためにも、主な注意点をご紹介しましょう。

ピーリング後はしっかり保湿
ピーリングの施術をした後は、肌が乾燥しやすい状態になっています。
また、肌が薄くなりいつもよりも敏感になることも多いため、施術後にはしっかりと保湿をして肌を守りましょう。化粧水を少量ずつ手に取り、数回に分けて肌になじませた後、保湿クリームも化粧水同様の方法で丁寧に塗布して、しっかり保湿するのがおすすめです。
比較的皮膚が薄い目の周りや頬などは、ほかの部分よりも念入りに保湿ケアしておくとよいでしょう。
ピーリング後の肌への摩擦は厳禁
ピーリングの施術をした後は肌が敏感な状態なので、摩擦を与えるのは避けましょう。ピーリング後の肌に摩擦を与えると色素沈着などの肌トラブルが発生する可能性があります。
洗顔でゴシゴシこすったり、ムダ毛の処理をしたりすることなどは肌への摩擦になりかねないので、ピーリング後すぐは行わないようにしましょう。
ピーリングの頻度に注意
頻繁にピーリングを行うと肌への負担になりかねないため、毎日や週1回といったように短いスパンで施術を繰り返すのではなく、肌の状態を見ながら商品に記載してある使用頻度や医師の指示に従って施術を行いましょう。
ピーリングは、肌を美しい状態に導いてくれる美容法ですが、少なからず刺激もあります。そのため、自分が具体的にどのくらいの頻度でピーリングを行うかは、専門的な知識を持った医師に相談して決めるのがおすすめです。
また、1回のみの施術ではなく何回か施術を行うことでターンオーバーが整い、より理想的な肌が目指せることがありますので回数についても相談してみてください。
ピーリング施術後は日焼けを避ける
普段からしっかり日焼け対策をしておくことが大切ですが、ピーリングの施術をした後は、肌トラブルを避けるためより念入りに日焼け対策を行ってください。
日焼け止めをこまめに塗ったり日傘を活用したりと、できる限りの対策を意識してみましょう。
ピーリングの施術によって敏感になった肌は、紫外線が通過しやすい状態です。そんなデリケートな肌にたっぷりの紫外線を浴びて日焼けすると、シミやシワといった光老化を進行させてしまうケースやニキビが悪化してしまうケースがあります。

まとめ

ピーリングと言ってもさまざまな種類があります。
ピーリング後の注意点もしっかり把握し、アフターケアも気を抜かないことが大切です。
まずは自分の肌の悩みを明確にして、医療機関に相談するのがおすすめです。自分の肌に合ったピーリングを施して、より理想的な肌を目指しましょう。

野村有子先生

野村皮膚科医院 院長

野村有子先生

医学博士 皮膚科専門医
<略歴>
1986年 慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科教室に入局
1992年 神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科に勤務
1998年 横浜市に野村皮膚科医院を開業
<所属学会>
日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会・日本研究皮膚科学会・日本香粧品学会・日本皮膚アレルギー学会・日本アレルギー学会・ 日本抗加齢医学会・日本在宅医学会・日本風工学会・神奈川県皮膚科医会・横浜市皮膚科医会

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