まっさらの肌にできてしまうニキビ
生まれたての新生児(赤ちゃん)の肌は、ふわふわでスベスベ、ひとつのシミもなく、まっさらです。
大事に守ってあげたいと、親であれば誰もが思うでしょう。しかし、そんなまっさらな肌に、ニキビが大量に発生することもあります。
あっという間にたくさんのニキビができることもあるので、初めてのお子さんの場合は、自分のせいで肌荒れを起こしてしまったのかと心配するお母さんもいらっしゃるかもしれません。
でも、新生児(赤ちゃん)にニキビができることは、珍しいことではないので、安心してください。正しいケアを学んで、我が子のお肌をきれいに戻してあげましょう。
ホルモンの影響
まず原因ですが、新生児ニキビは、思春期になってからできるものとは少し違い、お腹の中にいた時のお母さんのホルモンが影響していると考えられています。このホルモンは、新生児(赤ちゃん)の皮脂腺を刺激して、スムーズな皮脂の分泌を促す大切な働きがあります。生後1ヵ月から3ヵ月程度の新生児(赤ちゃん)の場合、この働きに毛穴などの組織の発達が追いついておらず、皮脂や汚れが毛穴に溜まりやすくなります。
ニキビのできる場所
おでこ(額)や頬(ほっぺ)にできることが多いようですが、頭皮や眉毛の中に発生することもあります。オムツで蒸れているお尻もできやすいようなので、気をつけてあげましょう。
ニキビの状態としては、白っぽかったり、赤みがかっていたりすることがほとんどです。ただ、時々化膿してしまうこともあるため、注意しなければなりません。ホルモンの影響である場合は、生後3ヵ月を過ぎたあたりから、徐々に消えていくはずです。
少しの刺激が原因になる
新生児(赤ちゃん)ニキビの原因は、ホルモンだけとは限りません。
生まれたての肌は大変デリケートで傷つきやすく、少しの刺激にも反応してしまいます。
寝具の素材
新生児(赤ちゃん)はほとんどを寝て過ごすことになりますが、その際に布団やシーツなどで擦れただけでも、柔らかい肌はダメージを受けてしまうのです。なるべく柔らかく、肌触りが良い素材の寝具を用意してあげましょう。
また、汚れにも敏感ですので、寝具やベビー服などは、こまめに洗濯してください。
新生児(赤ちゃん)が自分で自分の肌を引っかかないように、ミトンをさせる場合もよくありますが、どうしても舐めたり口に入れたりしてしまうため、ミトンは1日に何度か交換してあげると良いでしょう。それらを洗濯する際も、すすぎ残しなどがないように注意しましょう。
清潔にすることが一番の近道
では、新生児ニキビはどのように治すのが良いのでしょう。
新陳代謝が活発な新生児(赤ちゃん)の場合、ニキビ跡(痕)の心配はしなくても大丈夫だと言われています。ただし、強い炎症を起こしてしまうと、その限りではないかも知れませんので、新生児(赤ちゃん)の身の回りにあるものはできるだけ清潔に保つことが、元のスベスベ肌への近道です。
新生児(赤ちゃん)の洗い方
もちろん、新生児(赤ちゃん)自身も清潔にしてあげなければなりませんので、こまめに沐浴させてください。ベビー用の、できれば無添加の石鹸をおすすめしていますが、泡立て不足も刺激となりますので、よく泡立てて使いましょう。洗う際は、肌を擦ってはいけません。
元々デリケートな上に、お湯でふやけてさらに傷つきやすくなっていますので、ガーゼなどを使い、優しく丁寧に洗ってあげることが大切です。
また、泡が残ると新たな肌トラブルを引き起こしかねませんので、充分に流してあげましょう。
お風呂上りには、清潔で柔らかいタオルで充分に水分を拭き、ベビー用の保湿剤などを塗ってあげると良いですね。
新生児(赤ちゃん)の汗
新生児(赤ちゃん)は体温調整のためによく汗をかきます。実は、新生児(赤ちゃん)の汗腺の数は、大人と比べても大差ありません。つまり、汗腺の密度が高く、そのため汗っかきですので、汗疹などもできやすくなっています。
汗はこまめに拭き、必要ならば着替えもさせてあげてください。
ただ、新生児(赤ちゃん)はこのような肌トラブルに見舞われても、代謝が良いため治るスピードは目を見張るほどです。悪化させないようにさえ気をつければ、それほど神経質に考えなくても良いでしょう。
アトピーとの違いは
柔らかい肌にできてしまった新生児ニキビは痛々しく見え、早く治してあげたいと考えるのは当然です。
しかし、大人用のニキビケア製品などは、新生児(赤ちゃん)には刺激が強すぎ、かえって肌荒れを起こす可能性もありますので、使ってはいけません。
大抵の場合、生後半年を過ぎる頃にはきれいに治ってしまいますので、ひどくならないように見守ってあげるだけで充分ですが、気になる場合は医師に相談してみましょう。
また、アトピー性皮膚炎と混同されることもありますが、新生児ニキビはかゆがったり痛がったりしないのが特徴です。
首や膝の裏、肘の内側などに発疹ができ、かゆがったり機嫌が悪かったり、治る様子が見られなかったりするようなら、アトピーを疑った方が良いかもしれません。ただし、お母さんの不安な気持ちは、確実に赤ちゃんに伝わります。我が子を心配する気持ちは分かりますが、あまりナーバスにならず、ゆったりと構えて子育てを楽しみましょう。