「ニキビを放っておいたら痛くなった」「痛み・かゆみが気になって触ってしまい、余計に悪化させてしまった」という人は少なくありません。ニキビはできただけでも嫌なのに、痛みやかゆみがあるとつらいですよね。痛み・かゆみは、炎症を起こす段階まで進んだニキビに生じます。痛いニキビを繰り返さないために、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
痛いニキビはなぜできる?
「ニキビができたと思ったら、なんだか痛くなってきた…」という経験はありませんか?どうしてニキビは痛くなるのでしょうか。
痛いニキビができる主な原因
あなたは毎日の洗顔で皮脂やメイクをきちんと落とせていますか?痛いニキビができる主な原因は、毛穴の中や毛穴付近に詰まった古い皮脂やメイク汚れです。特に、皮脂分泌量が多いTゾーン(おでこ、鼻)やあごはニキビができやすいので注意が必要です。
まず、肌に残った汚れで毛穴の出口が塞がれてしまうと、毛穴の中でニキビの原因となるアクネ菌が増えて初期のニキビができるとされています。この段階ではまだ痛みはありませんが、進行すると毛穴の周辺の角質が厚くなって、毛穴の詰まりが悪化します。そしてニキビ菌や細菌がさらに繁殖して炎症を起こし、膿がたまります。膿がたまると、かゆみを引き起こす物質ヒスタミン(抗原抗体反応やアレルギーを引き起こす活性アミン)が発生しやすくなります。これがニキビの周りの神経を刺激して、痛みやかゆみを引き起こすのです。
痛いニキビの種類とは?
ニキビの進行度合いは色でチェックできます。症状が悪化するにつれて、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビへと変化していきます。特に赤ニキビ、黄色ニキビになると炎症を起こしているので、つらい痛みやかゆみに悩まされることが多くなります。
赤ニキビ
赤ニキビとは、皮脂が酸化した黒ニキビがさらに悪化して、炎症を起こした状態です。赤みを帯びていて、詰まった皮脂でぷっくりと盛り上がります。ニキビの原因菌や細菌が繁殖することで炎症を起こして、ニキビの痛みを引き起こします。
黄ニキビ
黄ニキビとは、赤ニキビからさらに悪化して毛穴に膿がたまっている、ニキビの最終段階です。黄色く見える膿は、皮脂を餌にして増え続けたニキビの原因菌や細菌と戦った白血球の残骸です。炎症を起こしたニキビは無理に自己流で治そうとせず、皮膚科の医師に相談して専門のニキビ治療を受けることも検討してみてください。
ニキビの炎症を防ぐために気をつけたいこと
痛いニキビは、もう繰り返したくないですよね。ニキビの炎症を防ぐには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
丁寧にスキンケアをする
見た目にはわかりにくいかもしれませんが、実は皮膚表面は毎日少しずつ生まれ変わっています。肌の深い部分で新しい細胞が生まれて、一番外側の角質層まで押し上げられた後、古い角質として剥がれ落ちる、というサイクルが繰り返されています。この仕組みを「ターンオーバー」と言います。ターンオーバーが適切なサイクルで行われている肌は健康な状態を保てます。しかし、もし皮脂汚れや乾燥を十分ケアせずに放っておくと、ターンオーバーのリズムが乱れ、ニキビが炎症を起こしやすくなります。ニキビを予防するには、1日に1回必ずクレンジングや洗顔をして汚れを落とすことを習慣にしましょう。
洗い方も大切です。洗顔料はたっぷりと泡立てます。洗顔ネットを使うと、手を逆さにしても落ちないようなコシのある泡が簡単に作れます。泡立てたら、なるべく肌を刺激しないように、泡を転がすイメージで優しく洗いましょう。クレンジングの場合も、肌を強くこすらないよう注意して、十分な量のクレンジング剤を手に取って指の滑りをよくしましょう。クレンジングや洗顔の後、肌をそのままにしておくと水分がどんどん逃げてしまいます。乾燥はニキビに悪影響なので、すぐに化粧水、乳液、クリームを使って保湿しましょう。
美容オイルに注意する
基本の洗顔と保湿に特別なケアをプラスしようと考えて、雑誌やネットで話題の美容オイルを使っている人もいるかもしれませんね。でも、オイルの選び方によってはニキビを悪化させるかもしれないことを知っていますか?
美容オイルは大きく分けて2種類あります。一つはココナッツオイルやホホバオイルなどの植物性オイル。もう一つは、スクワランオイルや馬油などの動物性オイルです。オイルの特性によっては、細菌の繁殖を抑えたり、ニキビの炎症を抑えたりするメリットが期待できます。しかし、肌との相性が悪かったり、毛穴の詰まりを悪化させたりする場合もあるので、オイルを試してみたい場合は特性をよく把握して、肌への影響に注意しながら使うようにしてください。
ホルモンバランスを整える
お肌の調子はホルモンバランスと密接に関係しています。女性ホルモンのエストロゲンは皮脂を抑える働きをしていますが、ホルモンバランスが乱れるとエストロゲンの働きが弱まります。すると皮脂が過剰に分泌されてしまい、ニキビができやすい肌になるのです。特に10代はまだ若いのでホルモンの分泌が不安定になりやすいのですが、これまでやっていたNG習慣をやめることでもバランスを良くしていけます。
生活習慣の改善で一番にやっておきたいことは、睡眠不足やストレスの解消です。女性ホルモンを分泌する司令を出すのは脳の視床下部という部分ですが、睡眠不足やストレスを抱えていると視床下部が上手く機能しなくなります。スマホから離れて夜更かしをやめたり、軽い運動などストレス発散の方法を見つけたりことが大切です。
また、美容と健康の基本は食事です。外食やコンビニでついつい自分の好きなものばかり選んでいませんか?肉、炭水化物、チョコレートなど甘いお菓子、揚げ物ばかり食べず、野菜、海藻、きのこ類、大豆製品などの摂取を意識してバランスの取れた食事を心がけましょう。
痛いニキビができてしまったら…
痛いニキビができたら、気になってついつい触りたくなりますよね。でもニキビを早く治したいなら、我慢しましょう。指で触ってしまうと不衛生で、余計に悪化させてしまいます。早く治そうと自分で潰すのもNGです。ニキビがおさまった後にニキビ跡が残ってしまうかもしれません。きれいに治したい人は皮膚科医に早めに相談しましょう。
これから痛いニキビに悩まされたくない人は、スキンケアや生活習慣を見直してニキビを作らないこと、そしてニキビに気づいたら炎症を起こす赤ニキビまで悪化させないことが大切です。