目の周辺にもニキビができることはありますが、目の周りは他のできものもできやすい場所です。目の周りにできるニキビを改善するには、洗顔や保湿などの基本的なスキンケアが必要ですが、ニキビではないできものに対しては、特別な対処が必要な場合があります。
目にできるニキビの原因
目の周りのニキビは、食事などの生活習慣の影響や、洗顔などのスキンケアがきちんと行われていないことなども原因ですが、特に注意しておきたいのが以下のポイントです。
メイクの汚れが残っている
目の皮膚は薄くデリケートであるのとは裏腹に、アイメイクなどで化粧を濃くするなど、よくいじる傾向がある場所です。またメイクの洗い残しによって、雑菌が繁殖してニキビができる原因にもなります。アイメイクをしたときはクレンジング剤を使って、メイクの汚れをしっかり取り除くようにしましょう。
髪などが触れやすい
目の周りは前髪など髪がかかりやすい部分です。また髪の汚れだけでなく、髪に残るシャンプー剤や整髪剤のすすぎ残しが、目の周りの皮膚を刺激してニキビの原因となることがあります。普段から洗髪時は十分にすすぎを行って清潔に保つとともに、前髪やサイドの髪が目の周りの皮膚にかからないような髪型にすることをおすすめします。
肝臓・腎臓の機能低下
体内の臓器の不調によって、ニキビができやすくなることがあると言われていますが、目の周りにニキビができるのは、肝臓や腎臓の機能の低下が引き金になるとされています。
まず、肝臓の状態を悪化させる生活習慣で最も多いのが飲酒です。適量であれば問題ありませんが、毎日お酒を多く飲む習慣がある方は、毎日飲むのを1日おきにするなど休肝日を設けるようにしましょう。肝臓を休めるだけで、肝臓そのものの調子だけでなく、肌の調子にも顕著に変化が現れる場合があります。
また、腎臓に負担をかけないようにするには、たんぱく質と塩分の過剰摂取を控えること。たんぱく質については、吸収率の高い動物性たんぱく質よりも、豆類などの植物性たんぱく質の方が腎臓に負担がかからないとされています。
眼精疲労でニキビができる?
眼精疲労とは、目をよく使う作業を長時間行うことで、頭痛、肩こり、吐き気などの全身的な症状が現れることです。この慢性的な眼精疲労によって生じる影響が、ニキビの原因となることがあります。その影響というのが主に以下の2点です。
①リンパ、血液の流れの悪化による影響
眼精疲労により、体内を流れるリンパ液や血液の流れが悪くなるのに伴い、肌の代謝も悪くなるためにニキビなどの皮膚疾患を引き起こしやすくなるのです。
②システインの不足
眼精疲労を回復させるのに消費される物質のひとつがシステインというものです。このシステインはたんぱく質の一種ですが、肌の新陳代謝にも必要な物質なのです。このシステインは、分泌量に上限があるので、目の回復に使われると肌の回復に使われる分が減ってしまいます。その結果として肌の代謝が悪くなり、ニキビができやすくなることがあるのです。
ニキビと間違えやすい目の周りのできもの
ニキビの他に、目の周りのできやすいできものについては、次のような症状があります。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)
稗粒腫は、白いプツプツとした半球状の見た目が白ニキビのようなできものです。稗粒腫は目の周りにできやすく、毛穴の中の「毛包」と呼ばれる袋状の組織や未発達の皮脂腺に、角質がたまることでできるとされています。
稗粒腫には、特に原因がみられない原発性のものと、火傷や皮膚の病気、皮膚の手術後などに発症する続発性のものがあります。特に、原発性の稗粒腫は子どもや女性に多く見られる傾向があります。いずれにせよ、稗粒腫は自然に排出されるまで数年かかる場合もありますが、良性のできものなので放っておいても特に問題はありません。
稗粒腫が増えて美容面で気になる人は、皮膚科や美容外科で治療ができます。治療方法としては、稗粒腫に直接針を刺し、袋にたまった内容物を押し出すという方法や、レーザーなどで焼き切る方法があります。
- ・ものもらい
- 目の上のまぶたに「ものもらい」と呼ばれるしこりができることがあります。ものもらいは、地域のよって「めばちこ」「めいぼ」とも呼ばれています。ものもらいには次の2つの症状があります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
霰粒腫は、まぶたの内側にある特殊な皮脂腺である「マイボーム腺」が詰まることで、しこりができるものです。霰粒腫は通常、腫れや痛みなどの症状はありませんが、手で触れるとまぶたにしこりを感じることが多いです。 しかし、しこり部分が炎症を起こすと腫れや痛みを感じることがあります。霰粒腫でできたしこりは、小さいものなら自然に吸収されておさまりますが、しこりが大きいものであったり、炎症を起こして腫れや痛みを伴うものになると、ステロイド剤の局所注射や手術が必要な場合があります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
麦粒腫は、まつ毛の生え際の汗腺や毛穴、マイボーム腺に、細菌が感染したものです。腫れや痛みがあり、炎症を伴うことがあります。麦粒腫は安静にしていればそのまま治ることもありますが、症状によっては抗生物質の点眼や内服が必要になる場合があります。さらに症状の改善がなければ、炎症を起こしている部分の膿を切ることもあります。
目の周りのできものを防ぐポイント
ニキビをはじめとする目の周りのできものは、洗浄が十分でない、または免疫力が低下している場合にできやすくなります。日頃から洗顔などのスキンケアを丁寧に行い、規則正しい生活習慣を心がけることが、肌の免疫力をアップさせ、ニキビやその他のできものの予防につながるのです。